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株式会社竹田技研

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騒音対策例(3)

 騒音対策例として、油圧制御機器で発生した音の例を示します。

 油圧制御機器がある特定の状態でピーという音が発生するが、この周波数帯域での音の発生は有害なため、この音を止めたいという問題です。

 問題の音の周波数分析をすると高調波成分を含むスペクトルが得られました。そこで、どこかの部品で共鳴が起こっているかもしれないと考え、機器をリストアップして共鳴周波数を計算しましたが、該当する部品がありませんでした。

 このため、原因究明に役立てるために、現象が連続的なものか不連続なものかを確認しました。当時よく使用されたA/D変換器はサンプリング周波数が低いため、高速のA/D変換器を使用してサンプリング周波数200kHzでサンプリングし、スペクトログラムを計算しました。スペクトログラムは声紋とも呼ばれていますが、横軸が時間で縦軸が周波数です。該当する時刻の該当する周波数の音が大きいと濃い点を、音が小さいと薄い点を描くことで音の周波数と強弱の時間変化が示されます。

 問題の音が共鳴音であるとすると、時間的に強度はあまり変化しません。ところが、計算したスペクトログラムは下図の上段のようなものではなく、下段のように不連続なものでした。そこで、問題の音は共鳴音ではなく、打音のようなものではないかと考えました。人間には、打音は打撃の周期が長いと不連続音として聞こえますが、周期が短くなると連続音として聴取されます。

 そこで、打撃音が発生する部品がないかを検討したところ、制御弁の弁と弁座で衝突が生じる可能性があることが分かりました。特定の条件で制御弁が不安定となり自励振動を起こし、高速で弁座に衝突して打撃音が発生したものです。

〇 電車に乗っていて、スタートしたときにゴツンゴツンという音がしてそのうちに音が聞こえなくなったことを経験したことがあります。これは電車の車輪のレールと接触する面(踏面)が損傷し、この部分がレールを打撃して生じる現象です(フラット音)。この音は電車の速度が遅いときは打撃音として観測できますが、そのうちに連続音となり聴取できなくなることが知られています。

測定された騒音のスペクトログラム