異音検査装置

 StaVaTesterIW(スタバテスタ・アイ・ダブリュー)は、稼働中の機械から生じる音や振動などのスペクトルを統計的に解析して、製品の良否検査を自動的に行う装置です。 ものづくり現場での耳による検査を自動化することができます。なお、FFTを使用した、騒音対策を効果的に行うことを支援する騒音分析ツールも販売しています。

 

異音検査装置.jpg異音検査装置

 一般に、機械などから発生する音や振動などの特徴は、そのスペクトルやソナグラムグラム(声紋)などに明瞭に現れることが知られており、検査ワークのスペクトルを良品のスペクトルと比較すれば、検査ワークの良否が簡単にわかります。しかし、スペクトルは周波数成分の数が数百から数千になるため、従来は、このような大量の特徴量を基に自動的に検査ワークの良否を判断する方法はありませんでした。

 そこで、StaVaTesterIWは、周波数スペクトルの標準化変量を基にする新しい類似度計算方法により、このような大量の特徴量を直接比較することを可能にしました(標準化変量と類似度は以後ご説明します)。このため、機械の音や振動の微妙な違いを検出することが可能になり、検査ワークの良否を精度よく自動検査することが可能になりました。

 また、場合によっては目視検査の自動化も可能です。検査対象が立体的なため画像による検査の自動化が難しい場合や、内部欠陥の検査などに適用できます。

 なお、この技術はこれまで行ってきた以下の検査技術を基礎として高度化したものです。

境界学習型NNによる検査・診断.pdf

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異音検査装置StaVaTesterIWの導入効果

 StaVaTesterIWを導入することにより、以下の効果が得られます。

 

1)高速な異音検査・異常振動検査が可能です(検査時間1秒)。

2)高精度な異音検査・異常振動検査が可能です。統計解析により良品範囲を定義します。

3)客観的な検査データが得られます。波形とそのFFT(フーリエ変換)スペクトルを保存するこ

  とができます。

4)安定した検査が可能です。

5)検査に熟練を必要としません。

6)前工程の評価が可能です。

 なお、科学的な検査を行うことで聴覚による検査では検出できなかった欠陥を検出した例が複数あります。これによって、製品の品質の向上につながっています。このように異音検査は圧倒的に科学的な方法が優位なため、異音検査の自動化により品質の向上と生産コストの低減を図ることをお勧めします。

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異音検査装置StaVaTesterIWの適用分野

 StaVaTesterIWは次の検査・診断に使用できます。

 

T 製品検査

  1)自動車エンジンやギア、モーターなどの機械製品の検査

  2)パソコンやハードディスクなどの電気製品の検査

  3)プレス品の割れや減肉などの検査

  4)薄肉シリンダーの目視検査の自動化

  5)深絞り品の目視検査の自動化

  6)内部欠陥の検査

  7)その他、音や振動の特徴を基に良否を判定することができる検査

 

U 設備診断

  1)設備機械の状態診断

  2)その他、音や振動の特徴を基に良否を診断することができる状態診断

 

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異音検査装置StaVaTesterIWの特長

 StaVaTesterIWは次の特長を持っています。


1)品質評価が可能です。

   検査ワークの品質を0から1の間の実数値で評価します。値が大きいほど品質が高い

   ことを示します。

2)検査精度が高い。

   検査ワークの音や振動のスペクトル強度の標準化変量を基に検査するため、高い検査

   精度があります。

2)検査レシピが簡単に作成できます。

   データ収集とFFT(高速フーリエ変換)の初歩的な知識しか必要としません。

3)検査レシピが素早く作成できます。

 

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異音検査装置StaVaTesterIWの適用例

  機械部品の傷検査の例を示します。下図左のステンレス板の傷の有無による周波数スペクトルの違いを基に傷の有無を検査する例です。

 板を台にセットして加振し、その振動を計測します。計測結果の周波数スペクトルを下図右に示します。上の図は振動波形です。青く示した部分の周波数スペクトルを下の部分に示しています。赤い線は良品の平均スペクトルです。黒い線は検査ワークの周波数スペクトルです。両者類似していますが、違いが見られます。この違いが大きいと傷の有無の検査ができます。なお、下の方に示した青い線は両者の差をデシベル表示したものです。広い周波数範囲にわたって違いが見られます。

 

波形適用例.jpg


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異音検査装置StaVaTesterIWの製品

  ○ StaVaTesterIW
  
 1)受動型(StaVaTesterIWP)
    製品の稼働音・振動を計測し、そのスペクトルを基に製品の良否を検査する装置です。
    エンジン、ギア、モーター、パソコン、ハードディスクドライブなどの検査に使用できます。 

受動型波形検査装置.jpg
受動型検査装置概念図

 

2)能動型(StaVaTesterIWA)
    機械部品などを加振し、その時の部品の振動スペクトルを基に部品の良否を検査する
   装置です。  

3)設備監視(StaVaTesterMW)
    機器の発生する振動や音のスペクトルを監視して機器の状態を監視します。機械設備
  や工作機の状態を監視します。

 

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異音検査装置StaVaTesterIWの仕様

 StaVaTesterIWの基本仕様は以下の通りです。

 

検査時間

 1秒 (計測+分析+判定:分析と判定には時間はほとんどどかかりません)

検査レシピ作成時間

 数分から数十分程度 (除くデータ収集)

周波数範囲

 0.1〜100kHz (周波数範囲は使用するセンサに依存します)

アナライザ

 ウィンドウズFAパソコン

 

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異音検査装置StaVaTesterIWの検査フロー

 StaVaTesterIWでは、異音検査・異常振動検査を次のように行います。

 

1)マイクや振動センサを使用して検査ワークの音や振動を計測します。

2)FFT(高速フーリエ変換)により、波形の周波数スペクトルを計算し、周波数毎に標準化

   変量(後述)を計算します。

3)波形の標準化変量を基に類似度計算(後述)を行い、その値がしきい値以上のときに

    OK、未満のときにNGと診断します。

 

波形検査フロー.jpg

 

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異音検査装置StaVaTesterIWの検査原理 − 標準化変量

 StaVaTesterIWで使用する標準化変量は、検査ワークのスペクトル強度と良品の平均スペクトル強度の差を良品のスペクトル強度の標準偏差で割った値と定義されます。

 標準化変量という用語はなじみの薄い統計量ですが、実際には検査でよく使われています。例えば、このワークの重さは良品の重さの平均±3σの間に入っているから良品と判断するといった検査がよく行われています。この時の±3が標準化変量です。そこで、周波数スペクトルでも同様に、ある周波数の標準化変量値が小さいか大きいかでその周波数成分の良否が判断できます。

 

波形標準化変量.jpg

 

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異音検査装置StaVaTesterIWの検査原理 − 類似度

 周波数スペクトルでは多数の標準化変量があるため、標準化変量によって周波数ごとの良否が分かっても、検査ワークの良否を判断することはできません。そこで、全周波数の標準化変量を総合して品質を定量化します。これまでは総合判断が不可能なため、標準化変量を使用する自動化装置が実現できませんでした。

 StaVaTesterIWでは、新しい類似度計算式を使用することによりワークの良否を判断できるようになりました。


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異音検査装置StaVaTesterIWの使用手順

 Stavatesterの使用手順は以下のようになります。

 

1)データ収集と検査可否の検討

2)検査レシピ作成と性能検討

3)検査

 

1)データ収集と検査可否の検討では、マイクや加速度ピックアップなどを使用してStavatesterのデータ収集機能により検査対象の音や振動の波形を収集します。サンプリング周波数と計測時間などを指定すれば簡単に行えます。次に、収集した波形のスペクトルを計算し、良品と不良品で違いがあるかどうかを確認します。これもStaVaTesterの機能を使用すると多数のスペクトルが簡単に比較できるため、良否による違いが簡単に確認できます。

2)検査レシピ作成と性能検討では、良品データの指定や検査周波数範囲、検査時間帯などを設定し、パラメータ調整ボタンをクリックすると、数秒から1分程度で検査レシピが作成されます。検査レシピが作成されたら、別の波形で検査性能を調査し、検査レシピが実際に使用できるかどうかを検討します。

3)検査では、作成した検査レシピを使用して検査ボタンをクリックすると検査が実行され、検査結果が表示されます。

 

 以上のように、StaVaTesterを使用すれば短時間に簡単に検査レシピを作成することができます。

 

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異音検査装置StaVaTesterIWの導入手順

異音検査装置の導入手順は以下の通りです。

@検査可能性の検討

 御社製品の自動検査が可能かどうかを簡単に検討します。

 検査対象機器の良品データ15〜30と不良品データを対象として検討します。検査対象機器の音又は振動を計測頂きデータをお送り頂くか、検査対象機器をお送り頂ければ当方にて検査可能性について検討し、その結果を報告致します。

A実用性の検討

 @の検討の結果、実用できる可能性がある場合、実際に使用できるかどうかを検討します。このため、多数のデータを対象に検査可能性を検討します。

 弊社デモ機をお貸出し致しますので、お客様にて実用性を検討して頂きます。必要であれば、ご支援致します。デモ機お貸出し期間は2週間程度です。

B実機導入

 実用性があると判断できる場合は、実機を製作致します。

 

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異音源探査請負

 次のような問題でお困りではありませんか。

 

  • 装置を顧客に納入したが異音が発生して対応に苦慮している。
  • 予期せぬ異音が発生して装置を引き取ってもらえない。
  • 最近、納めた機械から異音が発生しており、運転に支障をきたすので原因を突き止めたい。


 ところが、機械の異音発生原因は様々で、原因を突き止めるのは簡単ではありません。
 そこで、弊社では、機械の異音を分析して、お客様と共に異音源を突き止めるためのコンサルティングを行っています。弊社の技術は、重工メーカー在籍時の豊富な経験を基にしており、異音の特徴から機械の異音源を突き止めることを得意としています。また、ウェーブファイルなどを提供して頂ければ、各種解析を行い音源の推定を行います。

異音特定方法

 異音源を突き止めるために、異音の周波数分析がよく行われています。しかし、周波数スペクトルだけで異音源を突き止めるのは非常に難しいものです。

 異音源を効果的に突き止めるためには、異音を耳で聞いてみること、またスペクトルだけではなく、ソナグラム(声紋)を観察して異音の周波数的な特徴と時間的な特徴を分析することが望まれます。

 一方で、機械がどのような異常を起こしうるか、そのときにどのような異常な振動や騒音が発生するかなどの知識も必要になります。

 弊社では以上のような総合的な分析を基に異音源を突き止めます。

 振動や音は時間と共に変化する波形として観測されます。また、波形には色々なものがありますが、一般的に正弦波の重ねあわせとして表現することができます。このため、波形は複雑な形状をしていますが、周波数スペクトルとして表現すると分かりやすくなります。代表的な波形とそのスペクトルを以下に示します。 

正弦波

 最も単純な波形は、1つの周波数成分を持つ波形です。これは、正弦波で表されます。

正弦波.jpg正弦波スペクトル.jpg


周期波形

 次に、機械要素などから出る振動や音にみられる周期波形があります。これは、基本の周波数とその整数倍の周波数を持つ成分(高調波成分)で構成される波形です。ギアや回転翼などから発生します。ちなみに、楽器の音も周期波形です。

周期波形1.jpg周期波形スペクトル.jpg


概周期波形

更に複雑な波形として、概周期波形があります。この波形は相互に整数倍の関係にない周波数成分も含まれます。多数の機械要素の組み合わせからなる機械などでは、基本周波数が異なる複数の周期波形を含むことになります。

概周期波形.jpg概周期波形スペクトル.jpg


不規則波形

 上記の波形は規則性があるため、未来の振幅値を予測することができますが、過去の振幅値から未来の振幅値を予測できない不規則波形(ランダム波形)と呼ばれる波形もあります。機械から出る振動や音は不規則波形と考えられます。

不規則波形.jpg不規則波のスペクトル.jpg


スペクトルとソナグラムによる異音特定方法

 FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)により求められる狭帯域のスペクトルやスペクトルの時間変化が解析されたソナグラムグラムを観察すると、異音源を特定できる場合があります。機械音のスペクトルには多数の線スペクトルが見られますが、その中で調和成分が見られることがあります。すなわち、ある周波数を基本周波数としてその高調波成分が多数見られるスペクトルです。右図のf1、f2、f3はこの関係にあります(f4はこの関係にはありません)。この場合、f1〜f3の周波数成分を発生している何らかの機械部品があることが分かります。

概周期波形スペクトル.jpg

 それでは、この機械部品としては何が考えられるでしょうか。可能性としては次のものが考えられます。

 

歯車、玉軸受け、軸流圧縮機、気柱共鳴、きしみ音、打撃音

 

基本の周波数が次の周波数であれば、歯車が異音源であると考えられます。

周波数=毎分の回転数/60/歯数

 

基本の周波数が次の周波数であれば、玉軸受けが異音源であると考えられます。

周波数=毎分の回転数/60/玉数

 

基本の周波数が次の周波数であれば、軸流圧縮機が異音源であると考えられます。

周波数=毎分の回転数/60/動翼枚数

 

 それ以外の場合は気柱共鳴ときしみ音が考えられます。

 

 スペクトルが連続的で基本の周波数が次の周波数であれば、気柱共鳴であると考えられます。

 周波数=音速/(4*管長)       管端の一方が開いており、他方が閉じているとき(同時に、周波数は基本の周波数の奇数倍)

 周波数=音速/(2*管長)  管の両端が閉じているか、開いているとき(同時に、周波数は基本の周波数の2、3、・・、n倍)

 

 スペクトルが不連続なとき(ソナグラムで横線が途切れるとき)は、きしみ音か打撃音が考えられます。きしみ音や打撃音では衝撃音が定期的に発生しますが、衝撃の頻度が低いと不連続音に、衝撃の頻度が高いと連続音に聞こえます。

時系列データとそのスペクトル

 振動や音は時間と共に変化する波形として観測されます。また、波形には色々なものがありますが、一般的に正弦波の重ねあわせとして表現することができます。このため、波形は複雑な形状をしていますが、周波数スペクトルとして表現すると分かりやすくなります。

 

正弦波

 最も単純な波形は、1つの周波数成分を持つ波形です。これは、正弦波で表されます。

正弦波.jpg正弦波スペクトル.jpg


周期波形

 次に、機械要素などから出る振動や音にみられる周期波形があります。これは、基本の周波数とその整数倍の周波数を持つ成分(高調波成分)で構成される波形です。ギアや回転翼などから発生します。ちなみに、楽器の音も周期波形です。

周期波形1.jpg周期波形スペクトル.jpg


概周期波形

更に複雑な波形として、概周期波形があります。この波形は相互に整数倍の関係にない周波数成分も含まれます。多数の機械要素の組み合わせからなる機械などでは、基本周波数が異なる複数の周期波形を含むことになります。

概周期波形.jpg概周期波形スペクトル.jpg


不規則波形

 上記の波形は規則性があるため、未来の振幅値を予測することができますが、過去の振幅値から未来の振幅値を予測できない不規則波形(ランダム波形)と呼ばれる波形もあります。機械から出る振動や音は不規則波形と考えられます。

不規則波形.jpg不規則波のスペクトル.jpg


スペクトルとソナグラムによる異音特定方法

 FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)により求められる狭帯域のスペクトルやスペクトルの時間変化が解析されたソナグラムグラムを観察すると、異音源を特定できる場合があります。機械音のスペクトルには多数の線スペクトルが見られますが、その中で調和成分が見られることがあります。すなわち、ある周波数を基本周波数としてその高調波成分が多数見られるスペクトルです。右図のf1、f2、f3はこの関係にあります(f4はこの関係にはありません)。この場合、f1〜f3の周波数成分を発生している何らかの機械部品があることが分かります。

概周期波形スペクトル.jpg

 それでは、この機械部品としては何が考えられるでしょうか。可能性としては次のものが考えられます。

 

歯車、玉軸受け、軸流圧縮機、気柱共鳴、きしみ音、打撃音

 

基本の周波数が次の周波数であれば、歯車が異音源であると考えられます。

周波数=毎分の回転数/60/歯数

 

基本の周波数が次の周波数であれば、玉軸受けが異音源であると考えられます。

周波数=毎分の回転数/60/玉数

 

基本の周波数が次の周波数であれば、軸流圧縮機が異音源であると考えられます。

周波数=毎分の回転数/60/動翼枚数

 

 それ以外の場合は気柱共鳴ときしみ音が考えられます。

 

 スペクトルが連続的で基本の周波数が次の周波数であれば、気柱共鳴であると考えられます。

 周波数=音速/(4*管長)       管端の一方が開いており、他方が閉じているとき(同時に、周波数は基本の周波数の奇数倍)

 周波数=音速/(2*管長)  管の両端が閉じているか、開いているとき(同時に、周波数は基本の周波数の2、3、・・、n倍)

 

 スペクトルが不連続なとき(ソナグラムで横線が途切れるとき)は、きしみ音か打撃音が考えられます。きしみ音や打撃音では衝撃音が定期的に発生しますが、衝撃の頻度が低いと不連続音に、衝撃の頻度が高いと連続音に聞こえます。