外観検査装置の概要

外観検査.jpg 人間は、周囲の状態が普通と違うと、“何か変だな?普通じゃない”と敏感に反応します。外観検査においても、検査ワークの一部に良品との違いがあると “普通じゃない” と敏感に反応します。このように、人間は普通の状態を覚えていて、それと比較して普通であるか普通でないかを判断するといわれています。
 StaVaTester(スタバテスタ)は、この原理を、統計と独自のパターン認識技術を融合した検査方法を使って定量化する目視検査の自動化装置です。そして、検査結果として、0から1の間の実数値を出力し、出力値が大きいほど品質が良いことを示します。同時に、検査出力値が設定した閾値より大きければ良品、小さければ不良品と判定します。
 また、StaVaTesterは統計解析を基に検査するため、難解な画像処理を駆使する検査装置と違い、簡単に使用できます。

 これらのことから、StaVaTesterを使用すれば次のような効果が期待できます。

@ 製品の外観検査を自動的に行うことができます。
A 検査結果の定量化が可能です。
B 検査時間の短縮で生産性の向上が図れます。
C 製造条件の最適化に寄与します。
  (検査出力値の平均値の大小からリアルタイムに製造条件の良否がわかります)

 

弊社トップページはこちら

StaVaTesterIIの特長

 StaVaTesterは以下の特長を持っています。

@検査精度が高い。
 ワーク画像の画素毎の標準化変量(後述)を基に検査をするため、高い精度でワークの良否判定ができます。なお、標準化変量は不具合の程度を示す統計量です。

A高速に検査レシピを作成することができる。
 検査レシピ作成に必要な画像が収集されていれば、数十分で検査レシピを作成することができます。

B簡単に検査レシピを作成することができる。
 調整すべきパラメータの多くは自動的に調整されるため、お客様が調整すべきパラメータは数個と数が少なく、またそれらのパラメータの決定には特殊な知識を必要としません。このため、簡単に検査レシピを作成することができます。  自動外観検査ソフト動画マニュアルはこちら

C客観的な検査が安定して行える。
 機械的に検査を行うため検査基準が一定しており、検査が安定して行えます。

外観検査装置の概要トップページはこちら

StaVaTesterIIの用途

 StaVaTesterIIは次のような検査に使用することができます。

 

@自動車部品の外観検査
A機械部品の外観検査
B印刷物の外観検査
C電子基板や電子部品の外観検査
Dその他各種外観検査

  具体的には、プリント基板の欠品検査、セラミック板表面の傷検査、金属表面の傷検査、樹脂製部品の傷検査、コンクリート表面の傷検査などの適用例があります。

外観検査装置の概要トップページはこちら

適用事例

 以下のような傷を検出することができます。

 

 不良品画像の楕円の中心部付近の白い斑点を検出しています。

 

絵はがき.jpg 

              良品                   不良品

絵はがき

 

 左に細い線があります。異常部位を赤く表示すると、この線が異常部として検出されていることがわかります。そこで、異常部の長さを計測することが可能になります。

 細線原画.jpg

 

細線異常画.jpg 
プラスチック製パネル
 
バリの検出例です。
三角板バリ2.jpg
金属板のバリ
印刷間違いの検出例です。
良ラベル.jpg  不良ラベル.jpg
    良品                      印字ミス
 

画像データの構造

 ところで、画像データの構造はどのようになっているのでしょうか。
絵はがき小.jpg 右の画像は、典型的なモノクロ画像を示しています。そして、この画像はデジタル画像になっており、横方向が640個で縦方向が480個の画素、全体で約30万個の画素で構成されています。また、この画像はモノクロであるため、各画素は白と黒とその中間の灰色で表されており、その濃度値は0から255の値で表現されます。0は黒、255は白、その中間の値は灰色で、値が小さいほど黒っぽく、値が大きいほど白っぽい灰色になります。なお、カラー画像であれば、各画素は赤、緑、青の各々に対して256の階調を持っています。
 このように、画像は面的に配置された画素の濃度値で表現されています。そこで、画像という抽象的なものも、デジタル画像であれば各画素は数値で表されていることがわかります。別の見方をすれば、色々な重さを持った部品が多数あり、各部品は各々決められた重量を持っていると考えることができます。このため、工業製品の良否を判定する際に平均値±3σの範囲に入っていれば良品とする考え方と同じ考え方を、画像に対しても適用することができます。

外観検査装置の概要トップページはこちら

StaVaTesterIIの検査方法

 平均値±3σ内であれば良品という場合の±3は標準化変量という統計量の値に相当します。そこで、良品であれば標準化変量が小さく、不良品であれば標準化変量が大きくなることがわかります。このことを使えば、検査対象が画像であっても標準化変量が小さければ良品、大きければ不良品とする検査が可能であると考えられます。
 画像の場合、標準化変量は下図のように定義できます。いま、i番目の画素に注目します。この画素の濃度値は0から255の間の値をとりますから、複数枚の良品画像を対象とすると、その平均値と標準偏差が求められます。そこで、この画素の平均値と標準偏差、検査ワークの濃度値を使用すれば標準化変量zを計算することができます。

検査アルゴリズム説明図.jpg

 このようにすれば画像の検査が可能になりますが、画像は多数の画素で構成されるため、ある画素の標準化変量の大小だけでは良否を判定することができません。そこで、StaVaTesterでは全画素を対象として計算する類似度Oを使用して画像の良否を判定します。


外観検査装置の概要トップページはこちら

一般的なパターン検査装置の検査精度

 パターン検査装置の検査精度を示す指標の1つに検査結果のヒストグラム(頻度分布)があります。いま、検査ワークに対して0から1の間の実数値を出力する検査装置があり、1に近いほど品質が良く、0に近いほど不良であるとします。そして、この装置に良品を検査させると、出力値はいつも1になるわけではなく、分布します。例えば下図の青線のように分布します。この図では、良品に対しては0.85程度の値を出力する可能性が高いことを示しています。また、良品に対しては小さな値を出力しないこともわかります。一方、装置に不良品を検査させると赤線のように分布します。

 ここで、一般的なパターン検査装置では、明らかな良品と明らかな不良品を対象にしても下図のようにこれらのヒストグラムが重なります。このとき、検査装置が、重なっている部分の出力値を出力した場合、良品であるか不良品であるか判断ができなくなります。これは検査装置にとっては、大きな問題です。つまり、不良品を絶対に流出させないようにしようとすると、良品が不良判定される割合が高まります(過検出)。そこで、閾値を高くして過検出を容認するか、不良品は若干見逃しても閾値を低くして全体の誤り率を低くするかを考慮して、検査精度の適正化を図る必要があります。しかし、どのような閾値を使用しても必ず誤りが生じます。

ヒストグラム一般.jpg

一般的なパターン検査装置出力値の頻度分布

 これと比較すると、弊社のStaVaTester方式の検査では、次に示すように良品のヒストグラムと不良品のヒストグラムが重ならないようにすることが可能です。

外観検査装置の概要トップページはこちら

StaVaTesterの検査精度

 StaVaTesterでは、下図のように明らかな良品に対する出力値の分布と明らかな不良品に対する出力値の分布を重ならないようにすることができます。更に、大抵の検査対象に対して、良品の最小出力値と不良品の最大出力値の比(良否比)を10や100程度にすることが可能です。このように、StaVaTesterでは良品と不良品を明瞭に分別することができるため、高い検査精度を得ることができます。なお、良品か不良品かが明瞭でないものについてはこの限りではありません。

ヒストグラムUPT.jpg

 

外観検査装置の概要トップページはこちら

StaVaTesterIIの検査手順

 検査は、検査ワークを検査スペースにセットしてワークの画像を撮影し、画素毎の標準化変量を計算します。その後、求めた標準化変量を元に良品との類似度を計算し、求めた類似度としきい値を比較することにより良否を判定します。類似度は0から1の実数値をとり、1に近いほど品質が良いことを示します。

検査手順.jpg

外観検査装置の概要トップページはこちら

StaVaTesterIIの検査までの手順

 StaVaTesterはさまざまな検査対象に適用できる検査アルゴリズムを持っていますが、実際に検査に使用するためには、以下の手順を踏む必要があります。

検査レシピ作成と検査.jpg

1)検査レシピの作成

  ・複数の良品画像、不良品画像を入力する。

  ・パラメータを調整する(画素毎の平均値や標準偏差及び付随する条件を決定する)。 

   なお、殆どのパラメータは自動で決定されますので、パラメータ調整は簡単に行えます。

  ・出来上がった検査レシピが検査に使えるかどうかを検定する。
2)検査に実用する。

  このように、StaVaTesterを使用するためには、最初に検査レシピを作成し、その後作成された検査レシピの検定を行い、所望の精度が得られたときに実検査に使用します。もし、十分な精度が得られない場合はパラメータを変更して再度検査レシピ作成を行います。このようにして十分な精度を有する検査レシピが作成されたならば、実際に検査に使用することになります。


外観検査装置の概要トップページはこちら

StaVaTesterIIの検査レシピ作成手順

 検査レシピの作成は、以下の手順で行います。なお、検査レシピの作成は検査ソフトを使用することで簡単に行うことができます。動画マニュアルをご覧ください。


1)20枚程度以上の多数の良品画像と数枚以上の不良品画像を収集する。
2)良品画像の画素毎の平均値と標準偏差を求める。
3)良品画像と不良品画像を使用して類似度計算に使用するパラメータを自動
  調整する。

 

システム構築手順.jpg 

 なお、検査レシピ作成に当たり、検査範囲と判定閾値などを設定する必要がありますが、この設定には画像処理のような専門的な知識は必要ありません。


外観検査装置の概要トップページはこちら

StaVaTesterIIの検査レシピ作成手順(画像入力)

  画像入力は、StaVaTesterIIのデータ収集機能を使用して行います。ワークをセットして、照明条件やカメラの条件を調整して画像を収集します。画像の濃度値のヒストグラムを表示しますので、適正な条件設定が可能です。適正な画像が撮影できたならば、画像ファイルとして保存します(ビットマップファイル)。

 同一条件で、良品の画像と不良品の画像を収集し、画像ファイルとして保存します。良品画像の数は多ければ多いほど検査精度の高いシステムを構築できます。通常は、20〜100サンプル収集するのがよいでしょう。

 不良品の画像も、傷の種類とその程度に関してできるだけ多くすることが必要です。しかし、普通は最初から数多くの不良品サンプルは集まらないので、2つ以上収集してください。

 

外観検査装置の概要トップページはこちら

StaVaTesterIIの検査レシピ作成手順(統計解析)

 統計解析はStaVaTesterIIの「パラメータ調整機能」を使用して行います。「パラメータ調整機能」の中の「データ選択」機能で収集した良品画像を指定すれば、自動的に各画素の平均値と標準偏差を計算し、その結果をファイルに記録します。

 

外観検査装置の概要トップページはこちら

StaVaTesterIIの検査レシピ作成手順(パラメータ調整)

 StaVaTesterIIの「パラメータ調整」機能を使用して、自動判定するための条件を調整します。検査範囲の指定、システム構築に使用するデータ数の指定(収集した良品画像の内、一部を統計量の計算に使用し、残りを検査システムの検定に使用します)、判定の閾値の指定などを行い、パラメータを自動調整します。

 なお、収集した良品画像のどれを統計量計算に使用するかによって検査レシピの性能に大きな違いが出ます。そこで、StaVaTesterIIでは画像の選定も自動化し、検査レシピの最適化を図っています。

 パラメータの調整が終了すると、収集した画像の良品との類似度値の表示や良否の判定が適正に行われているかどうかなどの検査レシピの性能が表示されます。性能が適正であれば検査レシピファイルを作成します。このファイルには必要な全ての情報が保存されているため、検査対象が替わってもこの検査レシピファイルを読み込むだけで対応した種類のワークの検査が可能になります。

 

外観検査装置の概要トップページはこちら

StaVaTesterIIの検査レシピ作成手順(検査レシピの検定)

 パラメータの調整ステップで保存した検査レシピファイルを読み込み、その検査条件が適性かどうかを検定することができます。検定には、既に収集した画像ファイルを使用します。検査レシピに使用していない画像を選択して、その画像に対する検査を行うことにより検査レシピの実用性を確認することができます。

 この検定を通して、検査レシピが適性かどうかを見極めることができます。

 

外観検査装置の概要トップページはこちら

StaVaTesterIIの機能

 StaVaTesterIIには以下の機能があります。


・画像収集機能
・パラメータ調整機能
・検査レシピ検定機能
・検査機能


 画像収集機能はデジタルカメラを使用してワーク画像を収集・保存する機能です。
 パラメータ調整機能は、類似度を計算するための適正な条件(パラメータ)を決定するための機能です。パラメータ調整に要する時間は、30万画素の良品画像20枚、不良品画像2枚の場合は、5分程度です。
 検査レシピ検定機能で作成した検査レシピが実際に検査に使用できるかどうかを判断します。
 検査機能は、外観検査装置として検査を行う機能です。調整された検査レシピファイルを使用することで各種の検査を行うことができます。


外観検査装置の概要トップページはこちら