独自の高性能識別技術

株式会社竹田技研

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色判別装置

色判別装置は3層階層型ニューラルネットワーク(NN)を使用する装置です。画面上でマウスにより色を指定してNNに学習させることにより、任意の画像から指定した色に近い色の画素を抽出することが可能です。また、指定した色の面積の大小で欠陥の有無や果物の熟度などを判定することも可能です。

本装置で使用するNNの活性化関数は、パターン認識に有効な限局型関数を使用するため、非常に高い精度の色認識が可能です。また、一般的に学習にはノウハウが必要ですが、色認識に特化しているため、学習は容易で高速に終了します。

色判別装置の特長

◆  高精度

限局型の活性化関数を使用するため、高い認識精度が得られます。

NNにおいては活性化関数としてシグモイド関数やReLU関数などがよく使用されています。これらは細胞への入力値が閾値より大きいときには大きな値を、小さなときには小さな値を出力する関数で、いわば特徴量に関して振り分ける機能です。しかし、パターン認識の場合は特徴量がある範囲の値をとる場合に大きな出力となる機能が有効です。例えば、特徴Aがaからbの間の値で、特徴Bがcからdの間の値であれば欠陥であるなどです。

また、限局型の活性化関数を使用した画像検査装置が、装置納入時に約2万6千画像に対して検査し、間違いが生じなかった例があります。

シグモイド関数
限局型関数

◆  高速学習

使用するNNが3層構造であることと、限局型活性化関数を使用することで、NNの学習が高速に行われます。

◆  高速検査

使用するNNが3層構造であるため、多層型(ディープラーニング)と比較するとかなり高速に検査が実行できます。通常はパソコンでの検査が可能です。

◆  任意の色指定可能

指定したい色が見られる画像をパソコン画面に表示し、数十程度の画素をマウスでクリックすることで検査用NNの学習用データが得られ、指定した色の判別システムが短時間で獲得できます。学習が終了すれば検査が可能になります。

◆  反例データ学習

指定した色に近くない色(反例データ)に対してはNNの出力値が0になるように学習しています。これらの反例データはRGBの各色範囲を5飛びで設定しているため、指定した色に近い色以外のほとんどの色に対して反応しません。

色判別装置の構成

◆  アナライザー

色判別ソフトを組み込んだパソコンです。ノートパソコンまたはデスクトップパソコンを使用します。

◆  カラーカメラ

工業用のカラーカメラです。検査対象の画像をパソコンに取り込みます。精度に合わせて単板カメラまたは3板カメラを使用します。

色判別例

りんごの表面色の判別例を示します。

下図は色指定に使用した画像(左)とその色判別結果(右)を示しています。中央上部のりんご表面の色を複数指定してNNを構築し、そのNNを使用して元画像の全画素に対して色が指定色に近いかどうかを判別しています。色が近いと判別した画素部分を黒く表示しています。奥の方のりんごにはあまり反応しておらず、熟していないと判定しています。下のりんごは上部は熟しているが、下部は熟していないという判定になっています。下部も熟していると判定したい場合には、下のりんごの下部の色も追加指定した上で再度NNを構築することで判別可能になります。

次に、他の色に対する反応を検証するために、各種画像に対して模擬検査を行っています。反応した画素がある画像と反応した画素数を以下に示します。

反応画素数:249万画素中3315画素(右図の黒い部分)

反応画素数:249万画素中531画素(右図の黒い部分)

反応画素数:276万画素中521画素(右図の黒い部分)

反応画素数:4万画素中4画素(右図の黒い部分)

反応画素数:249万画素中15画素(赤丸部分)

全く反応しなかった画像を以下に示します。

画素数:249万画素
画素数:249万画素